*IPsecによる構成モデル*


IPsecを使用したトンネルの接続構成ついての一般的な話を紹介します。
前半はバイト敬語について熱く語っていますので、どうでもいいと思う人は次に進んでください。


後輩 せんぱ~い (^ー^)
先輩 あ、ジュース買ってきたんだ?
後輩 はい。
これ、コンビニしか売ってないので行って来ました。
先輩 このジュースに、こだわりがあるワケね。
その辺のリフレッシュコーナーの自販機でも、似たようなの売ってるけど。
後輩 そうなんですけど、これが一番好きなんです。
私は、違いの分かるオンナ。
先輩 はは、なんだそりゃ。
二本あるけど、一本もらっていいの?
後輩 あ、そうです。
どぞ。
先輩 じゃ、遠慮なくいただこうかな。
私は、違いの分かるオトコ。
後輩 むっ。
では、その違いを100字以内で答えよ。
先輩 この、まったりとした、それでいてふくよかな、、、
先生、分かりません!
後輩 うむっ、正直でよろしい。
違いが分かるジュースをコンビニで買うのはいいんですけど、最近コンビニで気になることがあるんですよね。
先輩 ん?
後輩 「バイト敬語」っていうやつですよ~。
店長さん以外、ほとんどの店員さんが使ってるんです。
先輩 あれ?
でも、世代的にはド真ん中じゃないの?
後輩 そうなんですよね。。。
学生の頃はアルバイトやってましたから、たぶん染み込んでるはずなんですが。
先輩 その割には、今まで使ってるの聞いたことないけど。
周囲に毒されなかったということなのかな?
後輩 あ、そうですか?
敬語には自信ないですけど、出来れば正しい日本語を使いたいとは思っているんですヨ。
先輩 ご両親の教育がよかったのかもね。
最初から基本が出来ていれば、変なクセがつくこともないだろうし。
後輩 えへへ、そう言われるとちょっと嬉しいです。
お父さんお母さん、ありがとう。
先輩 まぁ、バイト敬語が正しいか間違ってるかというのは、意見が分かれるよね。
後輩 えっ?
日本語的には間違いじゃないんですか?
先輩 うん、本当は間違い。
でも、考え方によっては合っている場合もある。
後輩 へぇ、、、
たとえば、どんなのです?
先輩 よくあるのが、「ご注文は、以上でよろしかったでしょうか?」っていうやつ。
確かに間違いなんだけど、どこがマズいのか分かる?
後輩 あ、それは簡単ですよ。
注文とかを聞いているのは今なのに、まるで過去に聞いていたかのような言い方になっちゃってますよね。
先輩 そうだね。
一度は注文を聞いて厨房に引っ込んでから、またさっきの注文を確認しにきたみたいな状況になってるね。
後輩 そうです。
客は初めて注文してるはずなので、これは間違いだと思いますよ。
先輩 これに、「今お伺いした」を付けるんだよ。
「今お伺いしたご注文は、以上でよろしかったでしょうか?」
後輩 あ、あぁ~。
なるほど、ほんの直前の過去っていうことにするわけですか。
先輩 そう。
注文を確認するタイミングと言葉の時系列に、矛盾がなくなるでしょ?
後輩 でも、いつも「今お伺いした」なんて付けてたら、ちょっとクドくないですか?
なんか、そんなの当たり前っていうか、、、
先輩 うん、そうだね。
だから省略してるんだろう、って考えるんだよ。
後輩 はぁ~、そこまで言われると納得できますね。
でも、これを言っている本人は、絶対そんなことまで考えて言ってないですよ?
先輩 もちろん。
でも、これで無条件に間違いだとは言えなくなったデショ?
後輩 う、、、
じゃ、じゃあ「~になります」はどうですか?
先輩 これは、本当に間違っている場合と、言い切れない場合がある。
例えば「こちらコーヒーになります」は、何がマズい?
後輩 出てきたモノは既にコーヒーなので、これからコーヒーになるわけじゃない、っていうところです。
「なる」っていうのは、何かが別の何かに変わらなきゃいけないので。
先輩 そうだね。
もし店員がコーヒー豆とドリップのセットを持ってきて、目の前で挽き始めながらそのセリフを言ったのなら、間違いじゃないけど。
後輩 あ、それなら間違いではないですね。
確かに、豆とお湯がコーヒーに変わりますから。
先輩 普通の店はそんなことしないから、この場合は間違いなく間違いだと言える。
一番よく使われる、間違っているといわれるバイト敬語の典型だね。
後輩 ほっ、よかった。
これが間違いじゃなかったら、もう何が正しいのか分からなくなるところでした。
先輩 コーヒーのドリップは専門店ぐらいしか可能性ないけど、鍋とかだったら居酒屋にも普通にあるよね。
あれは調理前の状態で出てくるから、まだ鍋になってないと言えなくもない。
後輩 これからお客様に煮込んでいただくことによって、食べられる鍋になります、っていうことですか。
なんか、そこまでいくと屁理屈の世界ですけど、文法に注目するとそうなるわけですね。
先輩 文法の間違いを指摘しようとしているのなら、文法的に間違っていると言い切れないといけない。
言葉の意味の間違いを指摘するなら、どんな状態を鍋と呼ぶのかという点が重要になってくるわけだ。
後輩 鍋の定義、みたいなことですか?
先輩 どこまでが鍋じゃなくて、どこまでが鍋なのかが決まらないと、どこで鍋に変わったのか判断できないからね。
この境界線の直前の状態で持ってきたモノは鍋になってないから、これから鍋になることが出来る。
後輩 はぁ~、、、
突き詰めて考えると、そんな複雑な話になっちゃうんですネ。
先輩 部分ごとに考えるとそうなっちゃって、ある部分については間違ってないと言える場合もある。
でもやっぱりトータルで考えると、いずれにしてもおかしいんだけどね。
後輩 そうなんですよ。
文法とか意味を考える以前に、鍋の一歩手前のモノを持ってきて「鍋になります」なんて、当たり前すぎてわざわざ言う必要がないと思うんです。
先輩 むしろ、そんな当たり前のことをわざわざ言われた客は「これが鍋以外のモノになるなら見せてみろ」と言いたくなるだろうね。
本来の意味で考えると、敬語を使ったつもりが逆に客を小馬鹿にするような言い方になってしまうわけだ。
後輩 よかった、認識が間違ってなくて。
正しくは、「鍋でございます」ですよね。
先輩 うん、そう。
気楽な店だったら、むしろ余計なことを言わずに単に「お鍋です」のほうがいいくらいだ。
後輩 そですね。
今の例は間違いだとしても、同じ「なります」でも間違いじゃないのはどんな場合です?
先輩 例えば「おつりは120円になります」の場合だね。
違いは分かる?
後輩 うーん、さっきのよりは微妙な感じがするものの、、、
さっきと同じく、「なります」を「です」に置き換えられますし、やっぱり間違いじゃないんでしょうか?
先輩 これの場合は、「お預かりしたお金から代金を差し引いた結果」を付けるんだよ。
「お預かりしたお金から代金を差し引いた結果、おつりは120円になります。」
後輩
あんまり変わらないような、、、?
先輩 おつりが分からない状態から、計算することによって答え、つまりおつりが得られたわけ。
「答えは○○になります」っていう言い方は、別に間違ってないから。
後輩 うーん、確かに「答えは○○になります」は問題ないですね。
計算もしてるから、答えを出したことになって当てはまるのか。。。
先輩 うん。
計算した答えとしてのおつりを伝えたいだけなので、「です」でも「なります」でも構わない。
後輩 ということは、、、
この場合は特に敬語っていうことじゃなくて、ですます調で普通に答えを言ってるだけなんですね。
先輩 そゆこと。
おつりがいくらなのか伝えてから、レジからおつりを取り出して渡せば問題なし。
後輩 おつりがない場合も大丈夫ですか?
先輩 そこは、考え方次第じゃないかな。
特別な割引とか税金とか、お店の色々な事情を含めて計算してみた結果がたまたま0円だった、と考えれば。
後輩 あそか。
答えが0円だからといって、計算してないっていうわけじゃないのか。
先輩 うん。
確かに少し微妙な感じは残るかもしれないけど、理屈は分かってもらえたかな?
後輩 はい。
特に、そもそも敬語じゃないっていうのが新鮮な解釈でした。
先輩 あとひとつ、よく使われるバイト敬語があるよね。
「~のほう」っていうやつ。
後輩 あ、それもありましたね。
選択肢がひとつしかないのに、他の選択肢があるかのように聞こえてしまうところが問題です。
先輩 そのまま聞くと、「こちらじゃないほうもあるのか?」って言いたくなるよね。
これは、選択肢がある場合と方向を示している場合以外で使ったら、間違いと言っていいんじゃないかな。
後輩 そか、向きを言う場合も使いますね。
ひどい時は、「こちらのほうになります」って二重に使ってる人もいます。
先輩 うーん、そこまでいくと言葉自体に何の重みもないねぇ。
もともとバイト敬語には、言葉をボンヤリさせる効果があるからね。
後輩 でも、今までの話を聞いていると、、、
間違っていると言われ続けているバイト敬語が、どうして消えずに浸透しちゃってるのか少し分かった気がしますよ。
先輩 ほぉ。
どんな理由か、言ってみそ?
後輩 例えば、さっきの「おつりは120円になります」っていう正しい言葉を、ある店員さんが言ったとしますよね。
それを聞いた人が、言った人の意図に反して「なります」は丁寧な言葉として使えるんだと思うわけです。
先輩 ウン。
後輩 で、その人は普段使ってる言葉が敬語になるんだと勘違いして、色々な場面で使い始めます。
それを聞いた人は、今まで聞いたことがないから肯定も否定も出来ません。
先輩 ウンウン。
後輩 本来の「ございます」と違って、「なります」は使い慣れた普通の言葉でもあるから、使いやすいし便利。
それで同じ効果があるなら、自分も使ってみよう。
先輩 ウンウンウン。
後輩 やがて店内に浸透。
お客さんも言葉の端々まで聞いてないので、ほとんど苦情もないでしょう。
先輩 ウンウンウンウン。
後輩 こうなったら、あとは広がっていくだけ。
この推理どうでしょ?
先輩 そこまでは同感だけど、さらに続きがあるよ。
人生の中で、アルバイトが最初の社会活動っていう人は多いよね。
後輩 あ、なるほどぉ。
真っ白な状態で、いきなりバイト敬語に触れて染まってしまうわけですか。
先輩 やがて、その学生が就職して、ある世代以下の社員がみんなバイト敬語を使う状況になった。
今まで明確に否定できなかった人たちも、やっぱりおかしいんじゃないかと思い始めて、教育の現場やメディアなどで指摘されるようになる。
後輩 その時点から間違った言葉だと指摘し始めても、もう手遅れだったんですねぇ。
確かに、今まで正しいと思って使っていたものを急に否定されても、すぐには変えられないですよね。
先輩 そういうこと。
文法の問題以外にも、頭ごなしに間違っていると言えないっていうのは、そういう意味もあるんだよ。
後輩 せんぱい、そこまで考えていたなんて、、、
深い、深すぎます!
先輩 なので、考え方を少し変えればいいんだよ。
日本語的に間違いなのは変わらないんだけど、「バイト敬語」っていうくらいだから、アルバイトは使ってもしょうがないということにする。
後輩 とりあえず、まずは使うことを許すわけですか。
先輩 で、正しい敬語を使っている店は教育が行き届いている、と評価するわけ。
バイト敬語を使っていることをマイナスにするのではなく、使っていないことをプラスに考える。
後輩 確かに、少なくとも敬語を使おうとする気持ちはあるわけだから、マイナス評価で見るのは行きすぎかもしれませんね。
先輩 そそ、努力する方向性がちょっとズレちゃっただけだから。
敬語や丁寧語すら使わないことが、本当のマイナスでしょう。
後輩 うーん、なっとく。
先輩 これで、今までとは見方が少しは変わるんじゃない?
後輩 はい。
今までは、仕方がないって考えることがなかったから、サラッと流せなかったんですよね。
先輩 そりゃよかった。
でも、今の話はアルバイトに限ったことなので、我々のような社会人には通用しないぞぅ。
後輩 はは、いつまでも学生気分じゃダメですよね。
気をつけなきゃ。
先輩 さぁ、問題が解決したところで続きを、、、
、、、なんだっけ?
後輩 あれ、、、
なんでしたっけ?
先輩 ダメだ、思い出せない。。。
必死こいて思い出すので、その間にもう一度コンビニ行ってみたら?
後輩 あ、そうですね。
バイト敬語への嫌悪感が減ったかどうか、確かめてきます~。

以下、「IPsecによる構成モデル-その2-」につづく。。。(この先、作成中です)

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