*セキュリティ用語集*


*ROC曲線*

用語の別名ROCカーブ、Receiver-Operating-Characteristic-Curve
ジャンル[語彙]
内容バイオメトリクス認証システムの精度を示すための指標のひとつで、本人排斥率他人誤認率の関係を表した対数グラフです。
グラフの横軸を他人誤認率、縦軸を本人排斥率とし、ある他人誤認率を設定したときの本人排斥率の範囲を採取してプロットしたもので、システム選定の重要な判断材料になります。一般的に、他人誤認率を低くしようとすると本人排斥率は高くなり、高い他人誤認率を許容すると本人排斥率は低くなるため、グラフは右下がりの緩やかな曲線になる傾向があります。理論的にはどちらの比率も低いほうが良いので、曲線がゼロの交点に近づくほどシステムの精度が高いと判断できます。また、この曲線はシステム導入時のしきい値を決定する際の判断材料でもあり、本人排斥率他人誤認率のバランスを考えた妥協点を探す必要があります。他人誤認率を低くするために精度を上げれば、本人の識別情報のブレを吸収できなくなって本人排斥率が高くなるため、両方を優先させることは出来ません。「ゆらぎ」を持つことを前提にした識別情報を対象にしているだけに、システムの最適値を探す苦労は避けられない、と言えるでしょう。


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