*セキュリティ用語集*


*使い捨てパッド*

用語の別名One-Time-Pad、ワンタイムパッド、Vernam-Cipher、バーナム暗号
ジャンル[語彙]
内容理論上、絶対に解読できないといわれている暗号アルゴリズムです。仕組みは単純で、伝文と同じ長さのランダムな鍵で伝文との排他的論理和(XOR)を計算したものが暗号文となります。逆に、暗号文と鍵の排他的論理和を計算すれば、元の伝文を得られます。
バーナム暗号が全体に解読できないといえる所以は、鍵長が伝文の長さと同一であることに直結しています。つまり、暗号文に総当たり攻撃を仕掛けたとすると、鍵の取り得る値の大きさは伝文の取り得る値の大きさと同じになります。これを言い換えると、ひとつひとつの鍵の試行によって得られた結果の取り得る値は、伝文の文字数で取り得る全ての文のパターンとなり、その文字数で表現可能なあらゆる文章が出力されます。そもそも攻撃者は伝文の内容を知らないはずなので、それなりに意味を持つ無数の解の中から本来の伝文を選び出すのは理論的に不可能である、というのが根拠です。ただ、暗号鍵を何らかの方法で相手と共有しなければならないことを考えると、そもそも伝文と同じ長さのデータを安全に共有できる方法があるのなら最初から暗号で守る必要がなかったということになり、意味がありません。また、伝文と同じ長さのランダムな鍵を計算機で生成するのは難しく、乱数生成器の性能に依存します。このような理由で、使い捨てパッドが合致するような用途は滅多になく、実際にはほとんど使用されていないと言われています。


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