*セキュリティ用語集*


*エニグマ*

用語の別名Enigma
ジャンル[暗号]
内容ドイツの研究者によって開発され、第二次世界大戦で活躍したことで知られている暗号機械です。機械と一緒に配布される「国防軍鍵表」と呼ばれる共通鍵一覧表に従って機械を設定しておき、伝文を1文字ずつ入力すると暗号文が1文字ずつ出力され、逆に暗号文を入力すると伝文が出力される、というものです。元々は商用目的で開発されたものでしたが、性能が認められて国防軍に採用され、様々な改良が加えられました。
当時としては画期的なハイブリッド暗号の仕組みを持ち、伝文を暗号化する鍵は共通鍵によって暗号化され、暗号文とセットで送信されていました。また、鍵暗号鍵として使用される共通鍵は毎日変更されるため、総当たり攻撃の耐性も持っています。ただ、国防軍鍵表が一冊でも敵国に渡ると仕組みが破綻してしまうことや、当時の低い無線品質を補うために暗号鍵を2回連続して暗号化してから送信すること、アルファベット26文字しか処理できないため頻度分析が可能なこと、などの弱点も持っていました。その後しばらくして別国の研究者に解読されてしまいましたが、機械を使用した実用的な暗号技術の先駆けとして、歴史的価値のある存在となっています。


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